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2020-04

糖質制限ダイエット

 本年も残す所あと2週間となりました。年の瀬の慌ただしい時間をお過ごしのことと思います。皆さま一人一人にとっては、2016年はどんな年だったでしょうか?
 2016年は、申し上げるまでもなくBrexitにアメリカ大統領選と歴史に残る大きな変曲点でした。時代の変化の速さをまざまざと見せつけられました。民主主義自由経済のもと、時代の変化についていける人といけない人の格差が広がり、過去の資産を継承しているだけでは、過去と同じことをしているだけでは生き延びることができないことが顕著に表れてしまいました。Dトランプを後押ししたのも、キッシンジャー元国務長官という黒幕が操ってはいるものの、かつて中流で今は時代に取り残された白人男性層を中心として「かつての強いアメリカ」復活を望む声でした。ヒラリー・クリントンにとっては、この層に寄り添う配慮が少しあればまた結果は変わっていたのかも知れません。
 実質的に世界最大の社会主義国である日本も、国家が舵取りして社会主義を続けるのか、国民一人一人に生き抜けるだけのスキルを身に着けるよう環境を整えるのか、問われ続けています。老子が言ったと言われている故事にあるように、「人に魚を与えると1日で食べてしまう。しかし人に釣りを教えれば生涯食べていく事が出来る」『授人以魚 不如授人以漁』にも通じています。もう、2000年以上も状況は変わっていないといえば変わっていないのですが、21世紀は全ての変化速度が一気に加速化されたために、一年一年と強いプレッシャーで問いただされているように感じます。

 最近、「糖質制限ダイエット」の文字を見かけることが多くなりました。ライザップも、食制限をダイエットの柱の一つに置いています。ラーメン好きはたまらず「麺抜き」をリクエストするようになり、ラーメン屋さんの方も「麺抜き」をメニュー化する潮流が生まれました。業界3位に転落したローソンは、小麦の外皮(ブラン)を使うことで糖質を大幅に抑えた「ブランパン」で、ファミマ+サンクス連合に抜き返しを狙っています。驚異のリピート率45.3%(2015年頃のデータのようです)を誇り、顧客の囲い込みに貢献しています。
 WHOもごく最近、10月11日に「糖分が多い清涼飲料水に20%異常の課税をすれば、肥満や生活習慣病を減らせる」とのレポートを報告し、世界へ呼びかけました。この事に我が国では一般市民は大して反応はないのかもしれませんが、食品メーカーへのインパクトは大きく、糖質制限食品ブームに拍車がかかった感もあります。
 WHOによると、世界で糖尿病の患者数は1980年に1億800万人だったが、2014年には4億2200万人、と倍以上に増えているらしい。その上で、糖分入り飲料が肥満や糖尿病に苦しむ人々を増やしている要因と報告書の中でも指摘しています。糖分が多い清涼飲料水への課税については、既にメキシコ、フランス、ハンガリーなどで導入されており、イギリスやフィリピン、それに南アフリカも導入を検討しているところのようです。WHOは、「すでにメキシコでは、糖分の多い飲料に10%課税することにより、消費を6パーセント減少させた」と指摘していますが、効果は一時的でまた消費も回復しているようです。一方、アメリカの清涼飲料水メーカー等は、当然ながら「健康対策としての課税について「根拠のない差別的な課税」」だとして、反対運動を繰り広げる訳ですが、世間の注目を集めておいて新たな商品開発を目指しているのでしょう。
 またまた余談ですが、実は我が国でも大正15年(1926年)に清涼飲料税が新設された歴史があります。その時の清涼飲料税の対象となる清涼飲料水は、「炭酸ガスを含んでいること」が条件でした。その背景としては、当時のサイダー類の消費拡大が挙げられます。当時のサイダー類(サイダー、シトロン、ジンジャエールetc)は、高級嗜好品と考えられたためだったようです。


# 現代人の肥満率
 アメリカでも、小学校の近くにマクドナルドがあると肥満率が高まるというデータもあるように、ジャンクフード店や食品会社が売り上げを増やそうと虎視眈々と狙っている「誘惑の多い」環境に我々はさらされています。
 厚生労働省が毎年行っている国民健康・栄養調査の2010年報告書によると、女性では低所得層の方が肥満者の割合が顕著に高くなっています(図)。カロリー制限の意識、実行力、それとアンバランスな食事といったところが原因に挙げられるのでしょう。この報告書では、低所得層の方が、朝食を抜く、野菜摂取量が少なく、運動習慣もなく、喫煙率も高い、といった傾向がデータに現れています。
 このデータでみても、男性は3人に1人、女性は5人に1人はBMI25以上の肥満に該当しているようです。また、運動習慣のない人は、3人に2人にも上るのが、現代の市民生活の姿なのです。
肥満人口率

# では、何故肥満率が高まったのでしょうか?
 生産性の向上により、世の中にあふれる食品の種類も量も増えた要因もあるでしょう。食べ物の価格低下も大きく影響しているでしょう、フランス革命時代1日の労働の対価はフランスパン1本でした(今の価格なら300円?!)。肉体労働を機械に取って代わられ、知的労働にシフトしたこともあるでしょう。こうして、動くことが少なくなり、食糧は安価で大量に入手できる時代になったのです。
 ここでは、職業別カロリー消費のデータを参照してみましょう。イギリスのデータなので、分類・切り口も我が国とはやや異なる面があります。

(表)職業別カロリー消費量ランキングです(カッコ内は1時間の消費カロリー)。
1位 林業 (1088キロカロリー)
2位 プロのダイバー (748キロカロリー)
3位 消防士 (748キロカロリー)
4位 トラックドライバー (374キロカロリー)
5位 馬のグルーミング (340キロカロリー)
6位 建設業、道路建設 (340キロカロリー)
7位 工作機械、パンチプレス操作 (272キロカロリー)
8位 ダンサー (258キロカロリー)
9位 果樹経営、果物収穫 (238キロカロリー)
10位 体育教師、スポーツインストラクター(204キロカロリー)
11位 マッサージ師 (204キロカロリー)
12位 立ち仕事全般 (170キロカロリー)
13位 大工 (170キロカロリー)
14位 清掃などの中労働 (136キロカロリー)
15位 トイレ掃除などの軽労働 (102キロカロリー)
16位 バーテンダー (88キロカロリー)
17位 洋服仕立て業 (68キロカロリー)
18位 農業、家畜の飼育などの軽労働 (68キロカロリー)
19位 工事現場の交通整理 (68キロカロリー)
20位 タイピスト (34キロカロリー)

参考: Are you burning calories at work? How typists use just 34 per hour – but massage therapists burn SIX TIMES as much

 このデータをみてみると、事務作業は、肉体労働に比べて、消費カロリーは、1/5~1/10 であることが解ります。考える作業でも脳はかなりの大食漢なのですが、1時間当たり40~50kcal もあれば知的作業は十分できるようです。脳は体重の約2%を占めるに過ぎないにもかかわらず、体が消費している全エネルギーの約20%を消費していること、その約80%が、(脳の)休息時に行われている神経活動、Default Mode Network (DMN)によって消費されていることは、本年10月25日のblog 「脳の集中力も疲れも、瞑想も、扁桃体が鍵を握っている」でもディスカッション致しました。

# では、どのくらい糖質を摂取するのが良いのでしょうか?
 脳は基本的にブドウ糖しかエネルギー源として受け付けません、贅沢にできています。例外として、ケトン体を燃やさざるを得ない糖尿病の人や、脂肪分に偏った食事習慣をもつエスキモー等では、脳もケトン体を燃やしてエネルギーを得ています。
 肝臓と筋肉のグリコーゲンを消費し尽くすと、ブドウ糖の供給減が枯渇するので低血糖になり、思考能力も低下してしまいます。
 またまた余談ですが、マラソンでは約35km 付近でグリコーゲンを使い果たし自分の身体を食べながら(筋肉を取り崩しながら)走るためのエネルギーを得ています。「ランナーズハイ」が顕著になるのもこのタイミングです。脳内麻薬(モルヒネ受容体の本来のリガンド)であるβエンドルフィンの分泌が高まり多幸感を感じる訳ですが、低血糖により脳が障害受けないように自衛するためのメカニズムとしても働いているようです。フルマラソンを35kmにルールを変更すると、これまでとは全く異なる身体能力で争われる競技に変わることでしょう。
 血糖を維持し、脳に必要なエネルギー源を供給する為には、一食当たりの糖質 20~40 gr、一日量 70~130 gr にコントロールするのが良いようです。最初に一騎に糖質減量して、効果を実感して、やる気をだしてから、少し緩めて維持するのが、賢いやり方と思います。糖質ダイエットだけではありませんが、やはり「効果を実感できる」ことは習慣維持にとって、とても重要な要素です。
 一日130gr とすると、糖分による摂取エネルギーは 4.2kcal/gr x 130 gr = 546 kcal になります。一日に必要な 2000kcl の内、脳が消費するといわれている20% 400kcal に比較して、良い対応になっているように思います。脳以外でも、糖質/ブドウ糖を消費しますので。

# では、いったい我々はどの程度カロリー摂取しているのでしょうか?
 元来、必要な摂取量は、我々で2000kcal ~ 2200kcal 程度でしょう。国、人種、性別、職業によっても異なってきます。
 FAOSTATのデータ(2014年8月11日更新)によると、現代の日本人の摂取量が約2,695kcal となっています。Food and Agriculture Organization による世界の食料・農林水産業に関するオンライン統計データベースです。欧米人だと、3500kcal 前後も摂取しています。国別1位は、オーストリアの3,785kcal でした。数字だけではイメージしにくいでしょうから、こちらをご参照ください。

一日のカロリー摂取量を大比較!世界のみんなは一日何カロリー食べてるの?

 この写真でみても解るように、我々でも油断して3食満腹にしているとすぐに4,000kcal に達してしまうのです。こうして必要量よりも過剰のカロリー量を摂取しているのが実態です。その結果、厚生労働省の「2012年国民健康・栄養調査結果」のデータでは、糖尿病が強く疑われる人 950万人、糖尿予備軍 2050万人、同省の「患者調査」で糖尿病とラベルされた人が316万人と、糖尿病患者がどんどん増え続けています。もはや成人男女の5人に1人が予備軍です。どこまでが「予備軍」と定義するかによって、データは変わってきますが、中年以上になるともう2人に1人になるのではないでしょうか? 医療費削減に向けて、対策が求められます。

# 最後に、ダイエットで欠かせない運動について
 摂取カロリー数を減量した時にも、身体はまず体内の糖質から消費しようとします。その次にアミノ酸(筋肉を分解します)、そして最後に脂肪の順です。ダイエットしてじっとしていると、筋肉が減っていくという事態に陥るのです。50歳を超えると、この傾向が顕著に現れます。筋肉量が減少するのですが、脂肪は減らない為、外見上は大して変化はなく、でも体重が落ちてゆきます。痩せたといって喜んでいると、筋肉がなくなっているのです、その結果基礎代謝も落ちて更に脂肪が燃えにくい状態になってゆきます。
 皆さまも、体重を減らそうとするときは、運動しましょう。脂肪は、運動を始めて20分ごろから燃え始めます。そのように代謝のスイッチが順にONになってゆきます。Warming up を15~20分程度やってから、脂肪を燃やせる体勢を整えてから、運動強度を上げると脂肪を効率よく燃やせます。スポーツジムのスタジオ・プログラムも、まずこのようにデザインされているのです。
 運動できなくても、筋肉に等長緊張が掛かるように手足に力をこめる習慣が役に立ちます。

今回のテーマは如何でしたでしょうか?
あちこちで話題に上るものの、なかなか実行できる決心がつかない、習慣が変えられない領域と思います。今回のディスカッションが少しでもお役に立てれば幸いです。
最後まで、お読み頂き有難うございます。
慌ただしくも、楽しいクリスマス&年の瀬になりますように、お祈り申し上げます。




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プロフィール

scaramouche

Author:scaramouche
I am an Executive coach, Consultant and Negotiator working in Tokyo, Japan. In charge with develop people, leadership management and motivation management, supporting president level, executive level and organization level.
Concurrently a visiting lecturer/researcher in Ohmae Kenichi School of Business.

After earning MD and PhD in medicine, I experienced medical practice as an anesthesiologist and ICU expert followed by scientific research work of molecular biology and molecular genetics. Following academic experiences, I joined to a global pharmaceutical company, and experienced Drug Discovery projects, Biomarker works in global Biomarker group, and Drug Development projects in the global context of drug development. Through my medical and business career, I have shown leadership involving internal and external stakeholders to create the value of projects.

Specialties: MBA (Business strategy, Marketing, and People Development), GLLC Certified Coach, JCA Certified Medical Coach, ABNLP Certified NLP practitioner, JNLPA Certified NLP practitioner, JSNS Certified Negotiation analyst, MD.Sc, PhD (Medical), Faculty Fellow of Pharmaceutical Medicine, Certification by the Training course of Biomedical Ethics and Law (Tokyo University).

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