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2020-04

西洋医学 vs 東洋医学の考え方

 皆さま、いつも本ブログをご訪問頂き、誠に有難うございます。
 クリスマスのオーナメントもピークを迎え、街のあちこちには新年の飾りから、年の瀬・正月を彩る保存食材など年の瀬を感じさせる品々が並ぶようになって参りました。皆さまも慌ただしい時間をお過ごしのことと思います。
 今回は、「KKロングセラーズ 空腹療法 石原結寛」にきっかけを得て、「自然治癒力を高める」東洋医学の発想について考えてみたいと思います。Dr石原結寛は、これから出てくる「血液の汚れ」と「低体温」を万病の元と重視しておられ、自然治癒力を低下させるものと捉えておられます。その結果、自然治癒力を引出そうという発想で、空腹療法を提言しておられます。
 アンデス原産のトマトが、乾燥した土壌を維持することで、少しでも水分を吸収しようと「ひげ根」を伸ばし、美味しくなる、とその能力を120% 引き出す栽培方法を進めるのとどこか似ていますね。
 
 西洋医学は、約400年の歴史を持ち、解剖学から端を発しています。戦争、感染症の流行が起こるたびに医療は進歩していきました。解剖による研究で、外傷や感染症を治す医療であるため、外からの原因には強く人間の内側から起こってくるものの理解には弱いといった特性をもっています。
 これに対して、そこまで科学が成熟していなかった太古の時代から始まった経験の実学である東洋医学は、西洋医学は外傷・外科手術に強いのに対し、人間の内部環境を整える対応に強いようです。
東洋医学では、「万病一元、瘀血(血液の汚れ)から生ず」と考えます。例えば、発疹は血液を浄化する反応であり、炎症は老廃物の燃焼処理と理解されます。動脈硬化や高血圧も、汚れた血液を血管の中で沈着させる浄血反応の結果である、ととらえます。ガンでさえも汚れ血の液の「浄化装置」であると理論付けられています。
つまりは、「血液を汚さない」生活習慣を心掛けることが、病気の予防に繋がるという理解にも繋がるのですが、しかして現代人の生活では血液を汚す生活習慣を実行している人が圧倒的に多いようです。その結果、昭和47年ごろには約3万人だった糖尿病患者は高度成長期に一気に増加し、40年後の平成24年では約700万人にまで急増しています。勿論、疾患の認知度が高まったことも、患者増加の重要な要因でしょう。 糖尿病予備軍は、2,000万人にも上るようです。厚生労働省「平成26年患者調査の概況」で生活習慣病のデータを確認すると、糖尿病の患者数 950万人、年間医療費 1兆2,076億円、高血圧症は患者数 1010万人、年間医療費が1兆8,890億円、高脂血症が患者数 206万人となっています。現在の高校生の4割~5割が生活習慣予備軍、とも指摘されています。

一方で、西洋医学における分析概念では、血液を浄化する生体の自然治癒力を「病気」と位置付けており、その反応を抑え、切除し、焼きとるという「治療」を行ってきました。こうした治療は、東洋医学の概念からすれば「逆療法」であり、一時的な症状改善を期待する「対症療法」に過ぎず、自然治癒力を低下させてしまい、むしろ血液を汚してしまう結果になる、とも考える事ができるでしょう。
 我が国にオランダ由来の西洋医学が紹介されたのは明治維新の直前、それまでは東洋医学の考え方で病気、体調不良に向き合っていました。考えてみると、昔の病気はその多くが「感染症」でした。これに対して現代の医学では、抗生物質の発見によってこれまで制御不能・自然治癒力任せのところが、制圧可能と世界が一変しました。この新しい条件のため、現代社会で患者数が最大な疾患は、生活習慣病です。メタボリック症候群患者とその予備軍では免疫力も低下しますので、癌もその結果の一つとしてとらえることもできます。ガン細胞は、毎日数百という数が、あなたの身体でも私の身体の中にも、癌関連遺伝子の突然変異体として発生しています。しかし、これが増えていかないのは、免疫細胞によって除去されているからで、この自然免疫力が低下すると最初の癌細胞を拿捕できなくなって増殖を許してしまうのです。
 感染症においては、病原菌(細菌、ウィルス、カビetc)との戦いの結果は、どっちが強いかで相対的に決まってしまいます。「自然治癒力」を高めても力及ばない、対処不能の事もある、東洋医学の一番弱い領域だったのです。

 東洋医学では目の前にいる患者さんのもっている症状を、(患者さんの)治癒能力を高めて改善することがターゲットになります。普段の診療においても、患者さんが「薬はできるだけ飲みたくない」とおっしゃられるのは、こういった違いを言葉で表現できなくとも直感的に感じておられるのかも知れません。
 しかし、この「治癒能力を高めて改善する」概念そのものがブラックボックスであるため、明治以降の歴史の中で東洋医学は西洋医学の後塵を拝してきました。何か昔の非科学的とも思える表現で、人間の体と状態を理解して、薬物療法の体系を作りあげているように見られていました。今のデータ・根拠を重視する EBM、Evidence-based Medicine の時代に評価されないのです。「治癒力」をどのような指標で表現するのか、我々の智恵がまだ及んでいないところに原因があります。ここの「治癒力」を表現できるパラメータが見えてくると、西洋医学と東洋医学の手法の協業も進み、治療学にも新しい時代が訪れるように感じます。
 実は、現代医学の薬物療法も、最終的には身体の「自然治癒力」頼みなのです。つまり、今の薬物療法は、悪い所があってバランスを崩していたら、薬によって反対側も下げてバランスを取る、症状(身体の反応)を緩和して、患者には少しなりと楽に感じてもらい、その間に身体の「自然治癒力」を期待する、というプロセスなのです。薬が、医者が「患者を治す」のではなく、症状を緩和している間に、患者に自然に治って頂く、その足をひっぱっている要因を少しなりとも緩和しているのです。薬や医者が病気を治しているのではないのが実態なのですが、現実には「よくなったでしょう」とドヤ顔している不謹慎な医者が結構多いと思いますが。。。

今回のテーマは如何だったでしょうか?
いつか、「東洋医学のアプローチ」を新しい指標で評価できる時代がくるといいですね。課題の整理だけで、解決にはちょっとギャップが大きいという内容で、ちょっと不完全燃焼のように感じられたら申し訳ございません。

最後までお読み頂き、感謝申し上げます。
皆さまに少しでも役に立っていれば良いのですが。
もう、冬至も目の前です。冷え込みも厳しい中、お風邪など召されないよう、乾燥にはくれぐれもご注意ください。ウィルスは湿度<40%で飛散します。




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プロフィール

scaramouche

Author:scaramouche
I am an Executive coach, Consultant and Negotiator working in Tokyo, Japan. In charge with develop people, leadership management and motivation management, supporting president level, executive level and organization level.
Concurrently a visiting lecturer/researcher in Ohmae Kenichi School of Business.

After earning MD and PhD in medicine, I experienced medical practice as an anesthesiologist and ICU expert followed by scientific research work of molecular biology and molecular genetics. Following academic experiences, I joined to a global pharmaceutical company, and experienced Drug Discovery projects, Biomarker works in global Biomarker group, and Drug Development projects in the global context of drug development. Through my medical and business career, I have shown leadership involving internal and external stakeholders to create the value of projects.

Specialties: MBA (Business strategy, Marketing, and People Development), GLLC Certified Coach, JCA Certified Medical Coach, ABNLP Certified NLP practitioner, JNLPA Certified NLP practitioner, JSNS Certified Negotiation analyst, MD.Sc, PhD (Medical), Faculty Fellow of Pharmaceutical Medicine, Certification by the Training course of Biomedical Ethics and Law (Tokyo University).

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