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2013-06

10本のバラ vs 15本のバラ

 アップル社の故Steve Jobs氏が、異性の口説き方について名言を残しています。「ライバルが10本のバラを贈ったら、君は15本贈るかい? そう思った時点で君の負けだよ。ライバルが何をしようが関係ない。相手が望むことを見極めるのが肝心なんだ。」
 今回は、このSteve Jobs の言葉に触発されて、KFS, Key Factor for Success について考えてみようと思っています(#1)。
 KFSとして競争優位性を持つには、競争相手に対して頭一つリードできるだけのイノベーションを持っている事が必要です。

皆さんに問い掛けですが、「技術進歩」はイノベーションにつながると思いますか?

 ものづくりの日本のR&Dにおいては、技術進歩こそイノベーションとしばしば誤解されて使っているケースが多いように感じていますが、技術進歩といえども同じ分野・ターゲットに使っている限りはイノベーションにはつながらないと理解しています。そして、毎日のように市場化される新しい製品、サービス、技術。これらは、ほとんどが「進歩」であって「イノベーション」とは言えないと思われます。
 例えば、半導体に関するムーアの法則を皆さん良くご存知と思います。Intelの創始者の一人、技術者のGordon Moore 博士が1965年に提唱した「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」という法則です。大雑把には処理速度を倍にするのに18カ月を要するので、この開発期間で技術進歩を続けて行かないとトップシェアを奪われてしまうということです(#2)。このことは、技術進歩によってもトップシェアは維持できることを示していると言えるでしょう。


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 下に図で示してみます。同じ技術を同じターゲットに用いている場合、新たな結果は期待できません。同じ技術を異なるターゲットに、または異なる技術を同じターゲットに用いた場合に新たな結果が期待できるということを現しています。

田の図


 では、異なる技術、新技術とは何でしょうか?
 技術進歩が既存技術の延長線上にあるのに対して、新技術・イノベーションには既存技術との間に不連続点が存在します。1912年 ヨゼフ・シュンペーターも、イノベーションという現象を特徴づけるのは「非連続的な変化」と、その著書『経済発展の理論』の中で語っています。もう、100年も前に指摘されていたとは、シュンペーターの慧眼には驚きを感じます。
 最初にSteve Jobs の言葉でスタートしましたので、iPhone, iPod を例にとって考えてみましょう。iPod はソニーのウォークマンのように、小型・軽量で薄い携帯型音楽プレーヤーを目指しているだけではありません。ここまでなら、その優れたデザインと共に技術進歩の域をでないと考えられます。しかし、iPod で成し遂げた不連続点は、音楽ソフトの帰属をエンタテーメント会社からApple に移してしまったことにあると言えるでしょう。

 因みに、異なる技術を、異なるターゲットに用いて同じ目的・効果を達成する場合もありうるでしょう。「距離」というコンセプトに対して、空間的距離・時間的距離・精神的距離を考えてみると、それぞれの「距離」を縮める手段には色々な技術と、不連続な技術革新が考えられそうです。異業種参入は、異業種そのものが不連続点を意味しているので、既存技術にとっては脅威になるのではないでしょうか。


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 KFSは、その置かれた環境により変化します。冒頭に挙げた例では、「相手/顧客のニーズが何か」によって、提案が変わってきます。
進化論でご存知のCharles Darwin の言葉『最も強い者が生き残るのではなく、 最も賢い者が生き延びるでもない。 唯一生き残るのは、変化できる者である』を借りると、環境が一変した時に、求められる新たなKFSに於いて自らの優位性を発揮できるだけの多様な「引出し」を備えている者が生き残る、とも言えるのではないでしょうか。

変化が加速化され、ますます多様な能力を求められる21世紀において生き残る人財となるには、このように
① 顧客ニーズを理解するために、相手の立場、考え方、価値観で考えられる能力
② 多様なKFSで優位性を保てるだけの「引出し」を普段から培っておく
ことが求められるのでないでしょうか。

 最も、これだけ複雑化したビジネス環境での戦いを求められている時代、一人の戦士が総てを備えることは現実的ではなくなってきています。一人一人の突出した個性から成る「チーム」の中で多様性を確保することが現実的でしょう。そして、チームを機能させるだけの、ファシリテーター・コーディネーター・チームコーチこそが鍵を握っています。次回は、この「チーム」について語ることができればと思います。

【参考】
#1 Key Factor for Success
http://president.jp/articles/-/5352

#2 ムーアの法則
http://e-words.jp/w/E383A0E383BCE382A2E381AEE6B395E58987.html




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プロフィール

scaramouche

Author:scaramouche
I am an Executive coach, Consultant and Negotiator working in Tokyo, Japan. In charge with develop people, leadership management and motivation management, supporting president level, executive level and organization level.
Concurrently a visiting lecturer/researcher in Ohmae Kenichi School of Business.

After earning MD and PhD in medicine, I experienced medical practice as an anesthesiologist and ICU expert followed by scientific research work of molecular biology and molecular genetics. Following academic experiences, I joined to a global pharmaceutical company, and experienced Drug Discovery projects, Biomarker works in global Biomarker group, and Drug Development projects in the global context of drug development. Through my medical and business career, I have shown leadership involving internal and external stakeholders to create the value of projects.

Specialties: MBA (Business strategy, Marketing, and People Development), GLLC Certified Coach, JCA Certified Medical Coach, ABNLP Certified NLP practitioner, JNLPA Certified NLP practitioner, JSNS Certified Negotiation analyst, MD.Sc, PhD (Medical), Faculty Fellow of Pharmaceutical Medicine, Certification by the Training course of Biomedical Ethics and Law (Tokyo University).

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